私が絵を仕事にするまでの話/なんばゆきのストーリー(2)

フリーランス

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クライアントの要望は徹底的にヒアリングする

Q:「まるちペインター」ってどんな職業??

なんば:一言でいえば、いろんなテイストの絵が描けるっていうことですね。

 

似顔絵だったり、デザインだったり、壁に絵を描いたり、タオルやシャツのデザインや挿し絵。

 

あと、最近だったら「ジャグアタトゥー」っていうボディアートの一種もやってます。

 

 

Q:時間が経ったら消えるやつ??

なんば:はい、約2週間で消えるやつ。

ジャンルを問わず、私の手で作れるもの、描けるものを全力で要望に合わせてやります。

 

個展とかだったら自分のテーマに合わせていろんな絵を描いたりするんですけど。

 

Q:相手が求めてくるものに対してできることは全部やるっていうこと?

なんば:そうですね、なので結構しつこくヒアリングする事もあります。ブランドのロゴデザインや、さっきのラーメンこんじきのシャツのデザインだったりもそうなんですけど、着たり使う人と第三者、お客さんが使う場合もあるから。

いろいろ想定して、「どういう方向に持って行きたいのか」っていう仕上がりのイメージにたどり着くまでの間を私が作るんです。ラフスケッチを描いたりしてだんだん形にしていくっていう感じです。

元々、大学では日本画をやっていて、わりと自己表現、アートへの思いが強かったけど。

 

 

アートとデザイン両面の視点を持った絵描きが私!

Q:アートって自己表現だからデザインとはまた違うよね?

なんば:そうですね、広い意味で。デザインってなると「デザイン思考」っていう言葉があるように、感性だけじゃ成り立たないというか。そこに説得力だったり論理的なことだったりとか必要だし。

 

Q:自己表現としての「アート」と、課題解決の「デザイン」の両面をやっているということ?

なんば:最初名刺を作る時、日本画家とかって言ってた時もあったんですよ。でも違うなと思って。じゃあイラストレーターと言ったら「イラスト以外はやらないのか」ってなるとそうでもない…。

「デザイナー…いや、イラストも絵も書くし」っていうのがあって……結局、既存の肩書きっていうのは対象が一つに絞られてることが多くて。

でも、色々やりたいなと思ったんですよ。せっかく自分の人生があるのに「何で一つに絞らなきゃいけないんだろう」と思って。

 

もちろん、ゴッホのように「とにかく書くんだ」って全身全霊で一つの作品やテイストを生み出すためにやるっていうのも良いことだと思うんですけど、ただ私の場合はそれじゃないなって思ったんですよ。色々やりたいなって。

 

 

Q:確かに「日本画家」って名乗ってる人がいきなり似顔絵を描いたら「アレ?」ってなるかもね。まるちペインターとして「こういうのもできるんだ」っていうふうになるもんね。

なんば:はい、「こうじゃないといけない」っていうのはなくて。今はこう思えてるけど、でも、大学の時は「枠」というか「こうじゃないといけない」っていうのがありましたね。周りの環境だったりとか、染められていくというか……。学校の中でしか制作しなかったりとかしてると、見えてる景色や思考も狭まってきちゃうので。

 

 

20代最後に挑戦したクラウドファンディングを振り返る

Q:クラウドファンディング達成前後で心境や周りからの変化ってどう?

なんば:メンタル的には一つ自信になってるし、経験してからわかる事ってたくさんあると思うんですよ。やる前に語っても説得力がないし。

クラファンをしたことで人脈も広がったし、考え方も柔軟になったし、仕事の面では人脈が増えた分知ってもらう機会が増えて、仕事を依頼してくれたりっていう機会が前よりも増えてますね。でも、大々的な変化っていうのは特に感じてないんですけど。

 

Q:自信に繋がるよね。

なんば:自信にはなりました。初めてだったからどこまでやれるかわからなかったし、支援することはあったんですけど、する側になった時に予測がつかなかったですね。

 

Q:「全然リアクションがなかったらどうしよう」みたいな?

なんば:そうそうそう!それすごく思ってて。

ただ、不安な要素よりも、2ヶ月前くらいに、「あ、これいけるな!」って思ったんですよ。「達成できる私!」って根拠のない自信が湧いてきて。そういう根拠のない自信や直感っていうのは結構後になって良い影響を与えるなって。

根拠のない自信に、どんどん肉付けをしていったというか、、、タイアップしてもらった歌だったり、ミュージックビデオだったり作品を作ったり本のデザインだったり。

それで根拠のある自信になったって感じです。

 

 

挑戦も失敗も経験してきたから今の私がある


写真:福岡で活動していた当時

Q:「まるちペインター」として活動した当初と今を比較してみるとどう?

なんば:経験が増えましたね。もちろん失敗だったりとか嫌なことがあったりとかうまくいかなかったこともありましたけど、マイナス面のこともあったことで、次はこういうふうに対策しようとか改善して行こうっていうのが分かるようになったから。

そういう回数があったことで、今自分のスタイルが確立できてますね。

 

 

Q:今だとジャグアタトゥーもやってるけど、活動当初はどういう活動をしてた?

なんば:まるちペインター当初は、受け身ではなく攻めというか…旦那さんの転勤で名古屋から福岡に引っ越して初めての土地だったんですけど、足跡・ツメ跡を残そうと思って。

当時出演したネット番組「キタキュウウーマン」

 

なんば:食レポやったりとか、カフェ巡りが好きだったから、自分でちっちゃな作品集みたいなのを作って、100均で売ってるそのスケッチブックに貼り付けたりとかしてて。それを持ってカフェに行ったら「絶対にカウンターに座る!」って決めてて。


写真:使っていたスケッチブック

そこのオーナーさんだったりスタッフさんとかに「こういうことやってます」って話しかけたりしてましたね。時間を持て余したくないなと思って。自己主張って言うか自分の存在を伝えるのはやっぱりまず自分かなって。

 

Q:作品を描いてそれを知ってもらうアーティストでいるけどそういうこだわりは特にない?

なんば:私のことを知ってる人は「ゆきちゃんもっとそのキャラを出して行った方が良いよ!」って言ってくれるから、「あ、じゃあ出していった方が良いんだな!」って。


写真:プロレス好きな一面も

 

Q:白目とか歯茎出したりとか?

なんば:そうそうへんな顔したり(笑)。

昔の10代とかなだとコンプレックスの塊みたいな所を今はもう面白半分で出したりとか。

それがむしろ私なんだよなって思うんですよね。


 
 
 
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