幸せの感度の幅を広げたい。スナックキャンディ京都オーナー 沼田竜也(前編)

フリーランス

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Q:カフェバーを経営している人の人生ストーリーが読みたいです。
 
 
 
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30代を目前の約1年半前、彼は公務員を辞めた。

このタイミングで「社会の安定のレール」を降り、自分らしく生きていこうと決意したからだ。

 

スナックキャンディ京都のオーナー、沼田竜也、29歳。

「ぬまっち」の愛称で親しまれる彼のことを周囲の人はどう思っているのだろうか。

 

 


写真:ぬまっちを知る友人、吉川真実さん

▼吉川
別の友人の交流イベントではじめて会った時は、「この人何してる人だろう」って思ったけど、元公務員同士っていうのもわかって親近感が出て、公務員を辞めて何かをする人って絶対に自分と向き合ってるから。自分の人生を生きようとしているところが良いと思います。応援したいですね。

 

 


写真:大阪心斎橋にあるチキン南蛮カフェを経営するうえがきゆうきさん

▼うえがき
外見は怖いけど(笑)、あたたかさっていうか、エネルギーがすごく感じられますね。実際話してみると面白いし波長も合うし、イベントでコラボしようってすぐなって。楽しい人ですね。

 

 


写真:常連のマイカさん

▼マイカ
人を受け入れる寛容さがありますね。だからかぬまっちのことを嫌いっていう人がいるっていうのは聞かないし。私がキャンディで飲みすぎて吐いても怒らずに水を渡してくれて、掃除してくれました。(笑)

 


写真:スナックキャンディ京都オープン時から知る「ラーメンこんじき」のコースケさん

コースケ:ちょっと頼りないなって感じあるけど 一生懸命に頑張ってる姿勢に惹き付けられちゃう! なんか上手く言えないけど高校生の時にいた年下の相方みたいな存在!

 

 

夢の一つだった本を出版

また、10月24日(水)に著者「ばすたいむ〜大切にしている言葉のシャワー〜」を出版。

今年30歳になるぬまっちが今大切にしている素直な感情、想いを、大切な写真と合わせてストレートに表現しているメッセージ集だ。

 

Q:なぜこの本を出そうと?

ぬまっち:自分の本を出すのが夢だったんですけど、本を出すことばかり考えていたら出版できていなかったと思うんですね。自分が「この人に会いたい!」とか感じたら素直に行動していたら出版していたっていう。(笑)

最初は自伝小説を書きたいなとフワッと思ったんですけど、「長文書けないわ自分」って思って。(笑)でも、公務員を辞めて今の生活している中で伝えたい言葉ってめっちゃ出てくるんですよ。

昔の自分や周りの大切な人へ向けてメッセージ集を作りたいなと思ったんです。キャンディで開催したイベントの写真やお世話になっている人たちとの写真も載せています。

 

Q:どんなふうに楽しんでほしいですか?

ぬまっち:完成した本を見返すと、すごく感謝を伝えている本だなって思って。「ありがとう」ってすごく人間らしいじゃないですか? 読んだ人も自分が感謝している人の存在や出来事を思い出すのに使ってもらったり、ちょっと落ち込んだり一息つきたい時に読んでもらえたらなって思いますね。

ぼくお風呂好きなんですよ。ほぼ毎日銭湯いってて。(笑)
お風呂って「心の洗濯」って思ってるんで。それで「ばすたいむ」ってタイトルを付けました。

 

 

市役所職員からスナックの”ママ”へ。

なぜ彼はそう決意し、行動したのか??

沼田竜也の人生ストーリーに迫ってみた。

 

 

”フラットな関係”で繋がれる場所を作りたかった

Q:先が読みにくいこの時代で、なぜ市役所職員を辞めようと思ったんですか??

ぬまっち:2017年6月末に大津市役所を退職したんですけど、退職理由は、自分のカフェというか、待ち合わせ場所を作りたかったんですよ。

なんというか、今の世の中に溢れているようなカフェではなくて、お客さん同士、店員とお客さんが”フラットな関係”で繋がれる場所を作りたかったんですね。

 

 

Q:”フラットな関係”って具体的にどういうことですか?

ぬまっち:お互いの好きなこととか、やりたいことを「それいいね!」と共感したり応援し合える関係ですね。それぞれの生き方や、価値観を認め合える関係って最高だと思うんですよ。

 

 

Q:濃いコミュニケーションが好きなんですね!でも、いきなり起業って難しくなかったですか??

ぬまっち:はい、公務員は副業できないんですけど、土日だけカフェ勤務をしてました。当時勤めていたカフェのオーナーには面接の時、「給料はいらないから働かせてほしい」と伝えたら採用してもらえて。

2017年6月末に公務員を辞めてからは、カフェとワインバーでの掛け持ち勤務をして…。

当時、ぼくが客として通っていたあるカフェのオーナーと仲良くなって、自分の夢とかやりたいことを話をしていたら、数日後に電話で呼び出されて。話を聞くと「店を閉めることにしたからここに自分の店を出さない?」って。30歳までに自分の店を出したかったので、前向きに考え始めました。

 

 

Q:お店を出すまでの決意ってどうやってできたんですか?誰かに相談されました?

ぬまっち:「お店を出さない?」って言ってもらってから、Twitter上でぼくと同じく公務員を退職する予定の一人の男性で「おっくー」のことを友人から聞いたんですよ。

それで彼に直接DMを送りました。「今度会えませんか」って。そしたら、彼から「11月に京都にいく予定があるのでその時会いましょう」って返事がありました。

それで、実際会って、お互いの夢や、これまでの仕事の話をしていく中で、キングコング西野さんが作ろうとしている「スナックキャンディ」の話が出たんですよ。自分がやりたい”フラットな関係のお店”のコンセプトに近いものを感じたんで、その「京都店」を出そうと決意しました。

 

 

スナックキャンディ

全国に25店舗(2018年11月時点)展開中。
モノ消費からコト消費にニーズが変わっている現代で、ワクワクやつながりを生む拠点。
年代や職業を超え、様々な人たちが訪れ、イベントや交流をおこなっている。

 

 


写真:プレオープンイベント時[/caption]

Q:いろんな人とのつながりやその会話で頭の中が整理できて決意できたんですね。

ぬまっち:はい、退職の時期や物件の話、スナックキャンディの話が繋がって。「このタイミングしかない!」って一週間後に、「やります」と返事しました。それで、2018年2月に物件を借りて、2月26日にスナックキャンディ京都店をオープンしました。

 

 

現在は、カフェ営業をする傍らで毎月多様なイベントを開催。

FacebookページTwitterで営業時間やイベントの告知をしている。

 

 

 

Q:実際にお店をやり始めた2月頃と今を比較してみてどう感じていますか??

ぬまっち:オープン当初は、キングコング西野さんの界隈の人たちが人を呼んでくれたりイベントを開催してくれたりしてましたね。

 

ぬまっち:それまで経営もしたことがなかったので、カレー屋「夢を叶える」の堀居さんや、ラーメンこんじきのコースケさんに相談しました。

 

ぬまっち:お客さんに来てもらうには、どんな店の営業スタイルが良いかとか、雰囲気づくりや、SNSとかで発信するのとか、具体的に伝授してもらいました。

 

 

ぬまっち:最近だと、地域ママとのつながりもできて。

「気軽に集まれる場所が無い」っていうふうに困ってはったんですよ。

それで「うちの店使いませんか?」って伝えたら喜んでもらえて。京都御所南のエリアでお店をさせてもらってるので、地域に何か貢献できればって思ってます。

こういう繋がりもできて嬉しいですね!

年代や立場、職業なども超えていろんな人と出会っていきたいなと思っています。

 

 

 

▼次回(後編)予告

1988年11月18日、京都で誕生。

1人っ子で育てられていたが、小学1年生の時に親が離婚した。

その後、母親の実家の茨城県に引っ越した。

 

母はスナック勤務で不在になるので、よく叔母の家で世話になるようになった。

大人の顔色をうかがいながら過ごした幼少期。

寂しかった。

 

学校ではサッカーに夢中になったが、勉強は苦手だったため大学受験に失敗。

そこから専門学校で2年必死に勉強し、大津市役所に採用された。

 

しかし、「ここには自分の求める未来はない」と勤続9年で公務員を退職。

「幸せの感度の幅を広げたい」と語るその思いとは?

これからの目標とは?

 

 

▼後編に続く

幸せの感度の幅を広げたい。スナックキャンディ京都オーナー 沼田竜也(後編)